先生列伝(70)浦井 公敏 先生 戸山高校新聞 第197号 1982年6月30日
 「スローな授業にしてくれ」


1961年卒業アルバム

1983年卒業アルバム

 先生列伝復活第二弾。今回は世界史の浦井先生に迫ってみた。

 浦井先生は六十一歳で、戸山に来られて三十四年になるという古狸。もっとも、全日制の教壇に立たれるようになったのは昭和三十九年からで、それまでは定時制の教鞭を執っていらしたそうだ。生れは上野。寛永寺一山なる寺で産声をあげたという。(そう言えばよく、『動物園の中の寺で・・・』なんておっしゃってたっけ。)市立二中(現都立上野高)、旧制の成城学園高等部から東大へ進まれた。

 「僕が学生の頃はちょうど戦争中だったから、かなり社会は暗かった。でも、成城学園は自由な雰囲気があったから、あの時代にしてはいい生活をしていたなあ。成城学園時代は合唱部でね。N響と共演したこともあるんですよ。」(そ、そんな、思わず自分の耳を疑ってしまった。)

 世界史の教科書、一年で六〜七十ページまでというスローペースについて恐る恐る尋ねると、「確かに遅いね」とあっさり認められてしまった。
 どうも要点だけを簡潔にまとめて話すのが苦手で・・。でも、大切なことはすべて教えているし、時間の無駄はないですよ。」と、淡々と語っておられた。(しかし、一部のクラスでは特定の話を五回もされたという伝説があるのですが・・・)

 共通一次より二次に力を入れて欲しいですね。記述式の問題が楽々解けるようにして下さい」とのこと。
 ベテランの味を生かして、これからも我々に良き教育をして下さることを期待します。
                          (怒涛のうそりMY)
浦井 公敏 先生 世界史 戸山高校在職 1964〜85



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