第4回新装戸山高校 アプローチガーデン(正門から駐輪場まで)

 母校改装計画の最後を飾る、正門から校舎に到るアプローチガーデン(エントランス)の工事が一部を除き3月に終わりました。そこで今回は、正門、校舎までのアプローチ(通路)、その両側の遊歩道、ラヂアン池、駐輪場などについてご紹介しましょう。

1. 正門
 東京メトロ13号線(仮称。池袋・渋谷間平成19年度開通予定)の新設工事にともない明治通りが拡幅されることになり、母校の敷地西端が約2m余後退し、新しい正門はそこから約8m内側の位置に移動しました。正門前のアプローチは幅約17m、奥行約8mで、植え込み、立ち木、掲示板が配置されています。正門と脇の通用門の門扉は、それまで使っていたものを塗りなおし再使用しています。

 正門とはいうものの、改築前のような門柱はなく、高さ2m、厚さ40pの鉄筋コンクリートで表面が本磨黒御影石張された門塀がどっしりと座り、その右側の門塀に横書きで「東京都立戸山高等学校」の校名文字が浮き出されています。

 ちなみに、13号線の西早稲田駅の出入口が正門近くにできる計画なので、開業後は母校へのアクセスが格段によくなることでしょう。


正門全景


黒い御影石が映える雪の門塀

既存の門扉を使用した正門

門塀の鉄筋コンクリート下地 (100周年記念碑は移設前)

地下鉄「西早稲田駅」予定地図 (東京メトロホームページより)

北遊歩道、100周年記念碑は移設後、
  (右端に見える枯れ葉はまもなく芽吹く柏)

2. アプローチ
 正門から校舎までのアプローチは幅8m、わずかな上り傾斜のレンガ敷きです。この通路の両サイドは遊歩道となり、特に北側遊歩道(正門から見て左側)はビオトープと呼ばれる部分になる予定で、遊歩道が、幅1.8m、全長50mの水の流れと植物や生き物が共生するスペースになります。母校創立80周年を機に建築された記念会館前にあった校歌が刻まれた創立100周年記念碑は、ビオトープの中ほどに移設されています。このビオトープは城北会寄贈によるもので、4月着工、5月完成の予定です。

 南側遊歩道(右側)の正門内側すぐのところに旗掲揚台が3基。そこからラヂアン池手前までの遊歩道は、香りのスペースと名付け、種々のハーブなど春秋の草花を植え、四季を通じて楽しめるスペースとします。
ビオトープと遊歩道については、完成後あらためてご紹介いたします。


南遊歩道、18個のベンチは白御影石


街路灯(モールライト)

夜のアプローチガーデン

ラヂアン池と北遊歩道

3. ラヂアン池
 旧校舎時代からあったラヂアン池は、装いを新たにして再登場です。

 フラットな基礎の上に、鉄筋コンクリートの土台を据え、防水塗装を行い、空洞を設けた下地に本磨黒御影石張した直径が7.2mの池が完成しました。水溜部分の直径は6m、水深は75cmです。黒御影石の下地部分に空洞を造ったのは地震対策のためです。池には、その中心点から外周に向けてラヂアン角(約57度)のふたつの造りが相対しています。一つはその角度に切り取った高さ約2mの円錐形モニュメント、もう一つは荒木田土を40cmほど盛った水中の水蓮田です。

 旧池の住民だった金魚は、校内の仮水槽で有志の教職員がほぼ3年忍耐強く飼育していたものを放流しました。新たに加わった若い世代の金魚とともに、その可愛い容姿で訪れる人たちを楽しませています。


水蓮田とモニュメント
  (真上から見ると双方ともラヂアン角)

モニュメント側壁から初貯水

元気に泳ぐ金魚

ラヂアン池の基礎鉄筋の背筋

黒御影石の貼着作業 (下地に空洞が見える)

4. 深井鑑一郎先生胸像
 ラヂアン池のすぐ奥の12.6m四方のスペースに深井先生の胸像が新しい台座に載せて移設されました。深井先生は明治31年(1898年)から昭和13年(1938年)までの40年にわたり、第6代校長として四中の名声を高められた名校長で、その偉功を記念して同年、城北会により胸像が製作されましたが、戦時中に供出。昭和27年母校65周年を記念して、初代胸像と同じ齋藤素巌氏により製作されたものです。台座背面の銘板には次のように刻されています:
     深井先生名ハ鑑一郎武蔵岩槻ノ人
     東京大學古典科ニ學ビ福島師範ニ
     就任ス後我校ニ教ヘ校長ニ進ム資
     性厳ニシテ慈常ニ躬行範ヲ垂レ後
     英彬出ス在職五十一年校長タルコ
     ト四十年老ヲ以テ退ク内外之ヲ惜
     ム本會主唱シ像ヲ鑄テ其恩ヲ記ス
      昭和十三年十二月 城北會
      昭和二十八年十月再建ス
この銘板は、前深井財団理事長鈴木和夫氏の父君、鈴木梅渓氏(昭和5年まで四中の習字を担当された)の筆によるものです。

 胸像を取り囲むスペースには、ツツジが植え込まれることになっており、 シーズンには、その色と香りで訪れる人びとを楽しませてくれることでしょう。このスペースの一角に時計台があり、2台の時計が正門と校舎に向けて時を刻んでいます。


深井鑑一郎先生胸像

背面の銘板

5. 掲示板
 ラヂアン池を取り囲むように半円状に6枚の竪型掲示板が据付けられました。
 校舎入口前にも同様の横型掲示板が4枚新設されました。合わせて10枚のうち1枚は城北会の掲示用に提供されることになっています。掲示はマグネットを使って行ないます。

 この横型掲示板を最初に使用したのは、今年の戸山高校の入学試験合格発表でした。


ラヂアン池を囲む竪型掲示板

校舎前の横型掲示板 (掲示は入学試験合格発表)

6. 駐輪場
  校舎の生徒昇降口の前に屋根つき駐輪場8ヶ所が設けられました。
  300台が収容でき、生徒や教職員が使用するほか、ラジアン池に近いスペースは、来客用と学校公用車のために確保されています。
                                  以上


駐輪場全景(右の平屋は陶芸小屋)


連絡・お問い合わせは城北会事務局へどうぞ。e-mail:johoku@toyamaob.org