昨年、平成25年3月16日、副都心線と東急東横線との相互直通運転がはじまった。戸山高校へのアクセスが格段とよくなり、副都心線を利用する戸山生の割合がますます増えてきたようだ。相互直通運転開始後1年になる。相互直通運転後の西早稲田駅を中心にした状況変化をここにレポートする。
1.副都心線各駅の乗降客数の変化
東京メトロでは、毎年各路線各駅の乗降数の増減率を公表している。これによると副都心線は他路線に比べて高いことがわかる。平成24年度(相互直通運転開始前)の報告では、おおざっぱに見ると副都心線各駅の増加率はほとんどが5%以上、東新宿が17.7%、西早稲田が6.7%増。副都心線外の他路線各駅の増加率は大体が5%以下である。
相互直通運転開始直後の昨年平成25年4月〜6月の副都心線新宿三丁目、渋谷、池袋の各駅の乗降客数は前年比30〜10%程度増加したといわれている。なお、東京メトロは相互直通運転開始後の平成25年度副都心線各駅の乗降客数はまだ公表していない。
相互直通運転開始後の利用者増は通勤通学の途上肌で感じられる。例えば、東武東上線、西武池袋線から副都心線への利用者も大巾に増加し、相互直通運転開始以前はゆうゆうと座って通勤通学できていたのが、今ではうそのようである。(写真1・所沢駅)
所沢駅
2.西早稲田駅の駅員不足に?
閑散としていた西早稲田駅も、相互直通運転開始後ホーム幅が狭く感じるようになってきた。相互直通運転開始2ヶ月後改札付近の西早稲田駅員に様子を訊ねたところ「お客さんが急に増えてきましたねぇ」と言いながら忙しそうに事務室に入ってしまった。駅員数も足りなくなってきたといった感じだった。
戸山高校に最も近い出口のエレベータは、時間帯によっては長蛇の列となってきた。(写真2・西早稲田駅)
西早稲田駅エレベータ混雑
ウイキペディア(インターネット上のフリー百科事典)によると相互直通運転開始前のデータであるが、西早稲田駅の一日の乗降人員の増加の様子が記されている。副都心線開通時の平成20年度が約20000人に対し、平成24年度には約30000人に増加、4年間で50%増えたのである。
3.新宿三丁目駅も異変
相互直通運転開始後、特に新宿三丁目の乗降人員増加率が極端に高い。朝のラッシュ時、丸ノ内線から副都心線への乗換客が予想を遙かに超え、通常の乗換通路がパンクしてしまったという。応急処置として朝ラッシュ時のみ乗換通路を一方通行にし、丸ノ内線から副都心線に乗換えるには一旦改札外に出て、別の副都心改札入口に誘導している。5分程度の時間ロスになることもある。いつまでこの不便が続くのか。
4.JRから副都心線に定期券変更が多くなった戸山生
昨年の夏、ある戸山生は「ボクはJRで通っているのですが、相互直通運転開始してから、多くの仲のいい友達が副都心線通学に切り替えてしまいさびしいです」と。
5.小竹向原駅の停車時間短縮
相互直通運転開始にあわせて、小竹向原駅で西武池袋線から副都心線に乗り入れる線路と東武東上線の線路から有楽町線に乗り入れる線路が平面交差だったのを廃止、立体交差に切り替えたことで信号待ちによる停車がなくなり、ダイヤの大幅増、時間短縮が可能になったそうだ。確かに小竹向原駅の停車時間が大巾に短くなった。
6.ほんとに西早稲田駅は便利になったと思うか
しかし、西早稲田駅に停車する本数は増加したとはいえないこと、東急東横線からくる電車のうち新宿三丁目が終点となる本数が多く感じること、などからみて、すごく便利になったとはいえないと思う利用客が多いようだ。
7.西早稲田駅周辺の放置自転車急増
平成20年6月副都心線開通後しばらくして、西早稲田駅北口地上出入口に隣接する副都心線工事仮設事務所跡地の一部が自転車置場(管理は新宿区)として開放され、6,70台が駐輪していた。(写真3・西早稲田駅駐輪場)相互直通運転開始してからは西早稲田駅近辺歩道の放置自転車が急増している。特に拡幅されてきた明治通りの歩道に違法放置自転車が目立ち始め、いくら取り締まっても放置がしやすくなったようでますます増加しそうである。(写真4・西早稲田駅放置自転車)
西早稲田駐輪場
西早稲田放置自転車
以上