戸山祭見学レポートと写真集
萩原まき子(昭44、新聞部OBOG会幹事)
「今年の戸山祭に、新聞部がブース展示をするようですよ。そこで、新聞部OBOG会の開催案内をしてはどうですか?」という城北会磯野昭彦さんからのメール。磯野さんは昭和31年卒の新聞部OB。大先輩のご下命に、早速、新聞部の宣伝をも兼ねたOBOG会の案内ポスターを作成、現役新聞部部長の浅海佑佳子さん(2年)のご了解をえて、ポスター展示をすることとなった。
そのポスター展示の状況視察に戸山祭に伺いますと申し上げると、「戸山祭全体の写真撮影もお願いしていいですか?」とまたまた磯野先輩からのご下命。卒業以来ご縁がなく、一度も戸山祭を見学したことはなかったが、平成26年9月6日(土)、半世紀ぶりに戸山祭をぶらりと覗いてみることになった。
戸山高校新聞戸山祭特集号を参考に、まず、その概要をご説明すると、今年の開催は第69回、テーマは、「一才!合彩!戸山祭!」、その趣旨は、「一切合切を戸山祭に懸ける」という思いと、「一つ一つの才能が合わさって、戸山祭を美しく彩る」という願いを込めたもの。9月6日から9日まで、3日間の開催で、1年生は展示、2年生は演劇、3年生は映画制作、そして部活など団体の展示・舞台等である。
さて、当日、校門の前には、「フェスティバル」の大きな看板、校門から校舎までのアプローチを、1年生の展示案内の立て看板が誘導していく。なかなか壮観である。テント張りの受付では、「どうぞこちらにお名前を」と丁寧な声掛けで、パンフレットと戸山高校新聞戸山祭特集号を配付。受付横の校舎外壁に架けられた恒例の垂れ幕と並んで囲碁将棋部全国大会出場の垂れ幕があった。(囲碁全国大会女子団体戦では準優勝でした)
いざ、校舎に入ってみると、1階は、戸山会の戸山カフェが大盛況。懐かしい購買部のパンやピザなどを購入し、隣の教室で、親子や友人同士で和やかに食べる・・・笑い声が絶えない明るい雰囲気だ。
カフェの廊下には、部活や学校行事、城北会など、戸山の核となる情報が写真により上手に展示されていた。
さて、2階に上ろうと階段に向かうと、階段の段差に、細長い紙を貼って演劇や映画の宣伝がなされており、お祭りらしさ満開。2階本部前は原宿並みの混雑で、呼び込みの女子学生の声が良く響き、「黄色い声というのは、こんな声かな?」と、久しく聞いていなかった若者の高い声を微笑ましく思う。
45年ぶりの来訪で、新校舎の2階、3階に上るのも始めてだったが、印象深かったのは、講堂屋上の「階段広場」と図書室屋上の「階段庭園」。採光と風通しを確保する建築の意匠だろうが、ここに三々五々、学生が集い、話したり、食べたりしている様子は開放感もあり、キャンパスらしさを最大限に演出している。
部活や1年生の展示を逐一、解説することは避けるが、戸山祭の基本コンセプトは「問題提起」という。「城北会ですが・」と取材してみると、1年生の恋愛やドラえもん、ミステリー、スマートフォン、脳などのテーマはクラス討議で春には決定、主として夏休みをかけて、調査、展示などの作成にあたってきたとのこと。写真撮影もジブリの展示を除いてオーケーで、カメラを向けると、生徒のみなさんも晴れがましそうにピースサインで応じてくれた。どの部活展示も、クラス展示も、呼び込みや説明をする生徒さんたちは「熱心さ」に溢れており、「しらけたニヒルな対応」などは皆無で、「昔はしらけた輩もいたなあ」と学生気質の変化も感慨深い。
新聞部ブースは、縮刷版を揃え、黒板には、創刊号を拡大して展示。「結核が当時は死亡率第1位」など、時代背景の解説も楽しい。また、戸山祭にあたって、昭和34年卒の新聞部OB林善紀さんが在校当時の思い出を寄稿。それが号外版(壁新聞)として黒板に展示され、半世紀以上前の新聞部の様子が生き生きと再現されていた。親子3人で訪れたご家族が縮刷版を拡げて歓談されている光景もみられた。びっくりしたのは、48年前の自分と記せずして再会したこと。「那須寮でのハイキング」と題して、「昭和42年当時、だんだん女子部員も増えていました」というキャプションで、自分を含めて女子部員4人が川を渡っている写真が展示されていた。
学生インタービューで、もう一つ、印象に残っているのは、映画の受付をしていた何人かの3年生の生徒さんたち。「戸山は、2年生から3年生にクラス替えがないので、映画のオリジナル脚本づくりは2年生の戸山祭終了後ただちに始めました。ほとんど1年がかりです。映画は総合芸術、本当にクラス全員で役割分担して、脚本から役者の演技指導、ロケ、編集など、団結も深まります。でも、一度限りということでは、2年生のときの演劇の感動も忘れられません。」、「戸山祭はなんだか、年々進化しているような気がします。自分たちでいうのもおかしいのですが、どんどん内容の水準が高くなっているんです。」
自分たちの高校に誇りをもち、仲間との協働作業で多くのものを獲得していく場となっている戸山祭、69年の伝統が新しい感覚で引き継がれていることを、卒業生として嬉しく思った一日だった。
以上
戸山祭写真集
1、戸山祭を盛り上げた情景
1−1 正門前の力作の看板
1−2 歓迎横断幕と色とりどりの立看板
1−3 来訪者に丁寧に声掛ける受付
1−4 恒例の垂れ幕に並ぶ囲碁快挙垂幕
1−5 階段段差の演劇や展示案内
1−6 原宿並に混雑の2階戸山祭本部前
1−7 開放感ある階段広場
1−8 お客様に御礼の横断幕
1−9 新宿北郵便局4階からの眺め
1−10 新宿北郵便局も戸山祭を応援
2、部活展示
2−1 管弦楽部光景
2−2 何年もいる生物部の亀
2−3 漫画を描くお客がいる漫画研究部
2−4 ぬいぐるみがお出迎えの写真部
3、1年生展示
3−1 トリックの謎解きを披露
3−2 あなたのことが好きだから
4、戸山会 カフェと廊下展示
4−1 戸山カフェ大宣伝
4−2 懐かしい購買部のパンも買える
4−3 隣室で買ってここで食べます
4−4 廊下の「戸山の部活」ポスター
4−5 廊下の「学校行事」ポスター
4−6 廊下の「城北会紹介」ポスター
5、新聞部展示
5−1 新聞部表札
5−2 創刊号「四高時鐘」を拡大展示
5−3 創刊号を現新聞部が解説
5−4 号外(壁新聞)に大先輩寄稿
5−5 戸山高校新聞に興味ある中学生
5−6 縮刷版を熱心に読まれるご家族
5−7 新聞部「過去の活動の様子」
5−8 新聞部OBOG会のポスター
6、その他
6−1 戸山祭運営委員会喫茶部
6−2 体育館演劇観客の大行列
6−3 廊下の柱にも様々な展示物
6−4 今、話題のSTAP検証の岸教授