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  戸山祭レポート
                                       久保祐介(平25)

 夏の城北会懇親総会にて新聞部の大先輩である磯野さんから「戸山祭の見学レポートを書いてみませんか」とのお話を頂き書き上げたのが今回の戸山祭レポートです。実は、戸山祭への参加は今年で6年目。最初の3回は戸山生として、残りの3回はOBとしての参加です。

戸山祭看板と歓迎横断幕
写真1 戸山祭看板と歓迎横断幕


 戸山高校の文化祭である戸山祭の特色は、やはり問題提起でしょう。戸山祭は「クラスが1つの問題提起をし、それを展示・演劇・映画を通して来ていただいた方々に伝える」(戸山祭パンフレットより引用)という目的で1年生が展示、2年生が演劇、3年生が映画上映を行い、部活などの団体が各々展示や発表を行います。問題提起と聞くとなんだか真面目でつまらない文化祭をイメージされるかもしれませんが、実際は活気あふれる華やかな文化祭です。

展示の立看板
写真2 展示の立看板

演劇と映画の垂れ幕
写真3 演劇と映画の垂れ幕

 祭典当日9月5日。久しぶりに母校を訪れると、まず正門に大きな横断幕と看板(写真1)、そして1年生の展示の立看板が来場者を出迎えます(写真2)。受付ではパンフレットと戸山高校新聞を配布。新聞は戸山祭特集号というテーマで運営委員長のインタビューや受験生向け情報そして他校の文化祭との比較記事などが掲載されており、私が新聞部だった頃より充実した内容となっていました。校舎の壁一面には演劇と映画の垂れ幕が架けられており文化祭の雰囲気を盛り上げます(写真3)。また今年は、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の物理クラスが校舎入口前でペットボトルロケットの実験を行っていました。SSH物理はこの他にも校舎中の階段広場で大掛かりな実験を行っており(写真4)、かつての展示企画とは違う角度から来場者を楽しませようとする工夫が見られます。SSH化学では小中学生に人気の実験が行われていました(写真5)。

SSH大掛かりな実験
写真4 SSH物理の大掛かりな実験

小中学生に人気のSSH化学実験
写真5 小中学生に人気のSSH化学実験

 校舎の中に入ると、映画・演劇の宣伝や部活の演奏会の宣伝のため昇降口は学生で溢れていました。混雑の中でも戸山祭スタッフは来場者の誘導やスリッパ配布をスムーズに行っており、戸山祭のレベルの高さが伺える一面でした。以下は展示、演劇、映画などの各企画ついての簡単なレポートです。時間の都合上、体育館での企画を見ることができなかったので校舎内での取材が中心となります。
 1年生の展示は問題提起をしやすい反面、企画としては単調になりがちですが、各クラス身近で興味深いテーマを選んでおり見応えは十分でした。文化祭で1年生がクラス展示を必ずやるというのは実は大変なことです。1年の夏は高校に入学したばかりなのでクラスで何かを作るのは時間がかかりますし、展示企画は中学生がイメージする高校の文化祭からは程遠いものなので最初は戸惑います。私も1年生の頃はお化け屋敷や模擬店をやってみたいなぁと思ったこともありました。しかし卒業してからこの制度を見直してみると、あの頃には気づかなかった良さというものも見えてきます。まず、展示は準備に時間と人手がかかるので自然とクラスの仲が深まります。そして、戸山祭当日は暇になるので上級生の劇や映画を中心とした戸山祭を思う存分楽しむことができます。上級生のクオリティの高い演劇や映画に影響を受けた1年生が次の年にまた素晴らしい作品をつくり上げることで、戸山祭のレベルは一定に保たれているのでしょう。

演劇放送所
写真6 演劇放送所


 2年生の演劇は体育館で行われる戸山祭のメイン企画です。体育館への入場を待つ人の列は階をまたいで伸びており人気の高さが伺えました。衣裳を着た役者が宣伝のため校舎内を歩く姿は、戸山祭の恒例となっています。今年の特徴は、演劇を録画したものを教室で放映する「演劇放送所」という企画が新たに行われていたことです(写真6)。これは実に画期的な試みでした。今までの戸山祭では演劇が体育館で一度しか行われないため映画やライブ等の他の企画と時間帯が被ってしまった場合は劇を鑑賞することができなかったのです。この「演劇放送所」は戸山祭運営委員会が企画したものであり、このような企画を来年以降も続けていってほしいと思います。

映画撮影
写真7 映画撮影

 3年生の映画は各クラスが撮影・編集したものを教室で放映する企画です。戸山高校は2年と3年の間にクラス替えが無いため、演劇と映画は同じメンバーで準備します。いくつかのクラスからお話を聞いたところ、映画の準備は2年の終わり頃から始めることがほとんどだそうです。あるクラスは2年の終わりに行われる修学旅行のシーンを撮るため、オリジナル脚本と役者決めを2年生のうちに終わらせたそうで、私達の頃より全体的に準備を早めに行っている印象を受けました。私達の頃は映画を作るメンバーは夏休みを犠牲にする風潮がありましたが、様子はだいぶ変わったようです(写真7)。どのクラスも大盛況で、中には上映の30分前に整理券が無くなり人数制限のため戸山生の入場を断るクラスもありました。各クラスが作成した映画宣伝用のうちわを来場者へ貸し出すサービスも来場者からは好評のようでした。

2日目フィナーレ
写真8 2日目フィナーレ


 部活等の企画は、主にライブと展示の2種類に分けられます。2日目のフィナーレでは軽音楽のバンドが階段広場でライブを行っていました(写真8)。これは今年から始まったものらしく、来場者と戸山生が一緒になって戸山祭の終わりを迎えるすばらしい企画だったと思います。展示企画では新聞部と地理歴史部が共同企画として戦時中の四中(今の戸山高校)についてまとめ上げていたのが印象に残っています(写真9)。「実は今回の戸山祭は70回目ではなく過去に数字のずれがあった」という研究も大変興味深かったです。部活動同士がタッグを組んで行う企画は今後も増えることを期待したいと思います。

新聞部・地理歴史部共同企画
写真9 新聞部・地理歴史部共同企画


以上が簡単ではありますが私の戸山祭レポートです。この他にも戸山祭では毎年さまざまな企画が行われています。私が戸山高校を卒業したのはわずか3年前のことですが、この3年間だけ見ても戸山祭は進化していると感じました。生の戸山生の迫力は、文章や写真だけではお伝えできません。卒業生の皆さん、そしてこの記事を読んで戸山高校に興味をもった中学生の皆さんもぜひ一度足を運んで進化した戸山祭をご覧になって下さい。
 なお、戸山高校ホームページホットラインのページにも戸山祭の様子が写真とともに掲載されています。(URL: http://www.toyama-h.metro.tokyo.jp/hotline/9_2.pdf

以上
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連絡・お問い合わせは城北会事務局へどうぞ。e-mail:johoku@toyamaob.org