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受講者に知的満足度を与えた
 鷲谷氏(昭43)の母校公開講座(報告)

                         戸山高校TOC(トヤマ・オープン・カレッジ)

 平成21年1月31日(土)戸山高校会議室で、「生物多様性と自然再生」という演題の東京大学大学院農学生命科学研究科教授鷲谷いづみ氏(昭43)によるTOC(トヤマ・オープン・カレッジ)公開講座が、生徒・保護者・同窓生・新宿区民等を対象に実施されました。
お知らせ 写真1

 講演は、大変分かりやすく、自然再生と生物多様性の重要性について、具体的・統計的な資料・データをもとに認識とまた受講後の自然環境に対しての関心が深められるものとなりました。

 講演内容の要約は、以下の通りでした。
(1)「“沈黙の春”から“実りなき秋”へ」で警鐘された時代(1961年)からいわれているように、野生のハチや鳥などの「ポリネーター(花粉媒介者・送粉者)」なしでは、花とポリネータとの共生関係は考えられないこと

お知らせ 写真2

(2)化学剤・除草剤の農薬を使う慣行農業などのモノカルチャー戦略は「農業崩壊症候群」を生じさせるので、「地球の環境容量」を踏まえた「慣行農業」から「共生農業」への自然再生が重要なこと
(3)人間の幸福を生態系サービス(資源供給サービス・調節的サービス・文化的サービス)と捉えたとき「生物多様性」が大きく関わること

お知らせ 写真3

(4)突然起きる非線形的な生態系サービス変化の危険性の例として、タイセイヨウダラにみられるような絶滅的なものになること
(5)生態系全体のバランスやその結果としての生存の基盤、さらには精神的豊かさまで含む生態系サービスの保障が、まさに経済的な選択より優位に求められていること

お知らせ 写真4

 最後に、著書が2冊「絵でわかる生態系のしくみ」(講談社¥2100)、「コウノトリの贈り物」(講談社¥1890)が紹介されました。多くの受講者がさらに読まれ、環境に対しての理解と関心を深められることを期待します。

お知らせ 写真5

 別記 次回の戸山高校TOC(トヤマ・オープン・カレッジ)公開講座は5月16日に開講する予定です。またのご受講をお待ちしております。 

                                       以上

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連絡・お問い合わせは城北会事務局へどうぞ。e-mail:johoku@toyamaob.org