オペラ「仮面舞踏会」に出演するまで 平瀬 志富(旧教職員)
平成十一年(一九九九年)文京区は、翌二〇〇〇年四月シビックセンターおよび大ホール(座席一八〇〇)の完成を記念して、区民参加による、ベートーベンの第九交響曲の演奏会を開催することを決定し、参加者を募集した。私はこれに応募して採用され、テナーのパートに所属することになった。練習は十月五日から翌年四月まで毎週火曜夜計二十五回行われた。途中寒さが厳しく、つらいこともあったが、幸い故障なく皆勤し、四月十六日の公演に参加することができた。第九の合唱のテナーパートは高いA(ラ)の音がひんぱんに出て来るので、最初は苦労したが次第に馴れて、一応出るようになった。八十代でも訓練次第で若い時より高い音が出ることを実感できた。公演はフルオーケストラと共演で、満足できる出来ばえとなった。これは文京テレビで放映された。 昨年(二〇〇一年)七月、文京区はヴェルディ作曲のオペラ「仮面舞踏会」を翌年二月シビック大ホールで上演することを決定し、参加者を募集した。このオペラは「椿姫」「アイーダ」などと並ぶヴェルディ名作オペラの一つで、藤原歌劇団が上演したこともある。 振り返って考えると、私が第九やオペラに参加できたのは、豊島師範時代外山国彦先生から歌唱法を、松本寛郎先生からはピアノの奏法と、音楽の基礎をしっかり指導していただいたおかげで、我が師の恩に感謝あるのみである。 |