安田洋くん(平5)初応募で日展入選

戸山の人材―平成5年卒 安田 洋くん―
初応募で「日展入選」の快挙

 昨年の秋のことです。久しぶりの日展。母と会場を巡り、ふと申し合わせたように二人の足が止まる。それが安田くんの作品、「夾竹桃」の前でした。
 繊細でしかも強い表現力を持った墨線。日本画が忘れかけていた精神を呼び戻す画期的な絵だと思いました。

 彼は4年前、当時、武蔵野美術大学日本画学科の学生で、私が初めて出会った美術の教育実習生でした。実習生の問題意識を極力授業に反映させたいと考え、長い時間をかけて二人で授業案を練りあげました。「身近な土から絵の具をつくって描く」日本画の原点を探るもの。もう一つはOHPを使い映像と音の構成による即興性の高い題材。生徒は大喜び。実習は大成功!
当時の美術室通信は「源を辿る・広がりを求める−教育実習終わる−」と題して安田くんの実習を紹介しています。
 それから大学院に進んだ彼は日本画コースを修了するなり初めて応募した日展で即入選を果たしました。これがどれほどの難関であるかは世に知られているとおりです。

 現在、私立校で講師をしている彼と時々話す機会があります。不思議なくらい世代の違いを感じません。深く広い教養と知性、まさに戸山の卒業生を絵に描いたような人物だと思います。益々活躍してくれることと楽しみにしています。

       2004.7.21
          都立戸山高等学校 美術教諭  長島春美


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