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平成25年度関西城北会懇親総会(案内)

                                        平成25年4月15日
                              関西城北会会長 南  隆明(昭37)

平成25年度関西城北会懇親総会のご案内(第11回)

関西城北会の皆様2年に1度の関西城北会懇親総会にお越し下さい。
皆様お誘いあわせの上、是非ご参加下さい。

今年のテーマ

講演 「金星にカメラを飛ばした!」

講師  東京大学理学系研究科教授
岩上 直幹氏 (昭44 戸山高卆)

                     記
 日 時: 平成25年5月26日(日) 10:40〜14:00
 会 場: ホテルグランヴィア大阪(JR大阪駅中央改札口を出て南側すぐ)
       20F 鶴寿の間 にて
 プログラム
    10:40-11:00  総会(鶴寿の間)
    11:00-12:00  講演  岩上 直幹氏(鶴寿の間)
    12:00-14:00  懇親会(孔雀の間)
 懇親総会費:¥7,000(講演者・本部来賓招待者・80歳以上の会員・学生会員の方は無料です。)  
 年会費:    \1,000

・会員以外の方の講演参加: 皆様のご家族、友人で希望者がおられたら、どうぞお越し下さい。
その際は、同封の出欠葉書の該当欄に参加者の氏名をご記入願います。

・お願い: 出欠は葉書で5月2日迄にご回答ください。

(E-mail回答の方: mori-kou@tf7.so-net.ne.jp 又は hj.miyachi@nifty.com)
名簿更新のため最新の住所・郵便番号・勤務先・役職・勤務先電話番号などを必ずご記入下さい。毎回総会終了後に、関西城北会会員の皆様に総会ご報告と共に会員名簿をお届けしておりますが、もしこの名簿に貴方様が記載を不可と思われる項目がございましたら出欠案内ハガキの記載不可欄にX印をご記入の上ご返送頂きますようお願いいたします。 お申し出のない場合には従来通り城北会同窓会会員名簿の通り記載したものをお届けいたします。
前回同様会費は振込用紙を使用し,5月2日迄にお振込お願い致します。
出席の方 \8,000 欠席の方\1,000。
事務局: 森幹事長 TEL&FAX 0797-32-0160 宮地幹事 TEL&FAX 078-735-7302

                                                   以上
会長:  南 隆明(S37)
幹事長:森 昊一郎(S33)
幹事: 八木 保(S27)、宮地 英光(S29)、吉村 輝男(S29)、一松 睦子(S32)、森田 恒之(S32)
    浜中 恵子(S35)、堀 利雄(S35)、道家 駿太郎(S36)、荒木 里(S36)、松井 春雄(S41)
    小嶋 良一(S42)、末広 亨(S53)、津村 和伸(S53)、北川 恵理(S62)、三浦 正彰(S62)
    雨堤 泉(S63)
会計監査代行:星野 正和(S42)
                                           記  雨堤 泉(昭63)

講師略歴と講演要旨

講師の岩上直幹氏

■岩上 直幹 氏 略歴

1950年8月  東京に生まれる
1969年3月  東京都立戸山高校卒業
1973年3月  東北大学理学部天文および地球物理第一学科卒業
1975年3月  東京大学理学系研究科地球物理学専攻修士課程修了
1976年10月 国立極地研究所職員(大学院休学)
1976年12月−1978年2月 第18次南極観測隊員として昭和基地で越冬
1980年3月  東京大学理学系研究科地球物理学専攻博士課程修了
1980年3月  理学博士(東京大学)
1980年4月  日本学術振興会奨励研究員
1981年10月 東京大学理学部助手
1983年11月−1984年4月 インド国立物理研究所客員研究員(大学休職)
1986年10月−1988年3月 米国デンバー大学物理学部客員研究員(大学休職)
1990年2月  東京大学理学部助教授
2000年4月  東京大学理学系研究科准教授(組織替え)
2013年4月  東京大学理学系研究科教授

解説・著書など

宇宙・地球(責任編集)、サイエンスコミック5、クロスロード、東京 1986.
「Compendium of Aeronomy」第1章・第9章(英訳)、Terra Publishing Co. Tokyo 1991.
「金星探査計画発進」天文月報(日本天文学会機関紙)第95巻126-133, 2002.
「大気の構造」大気と水圏の地球科学・第1章(著)、培風館、東京 2005.
「一番星へ行こう! 日本の金星探査機の挑戦:1μmカメラIR1の光学テスト」遊星人(日本惑星科学会機関紙)第17巻 244-246, 2008.

■講演要旨 「金星にカメラを飛ばした!」

 高校時代の1966−69年は米ソの宇宙競争まっ最中。1968年にはソ連のゾンド5号が月岩石の無人サンプル・リターンを達成、そして米国のアポロ8号が有人初の月周回で有名な「地球の出」の写真を撮って感動をよびました。しかし40年後、まさか自分のデザインしたカメラが金星に飛んでゆくとは夢にも思いませんでした。金星探査機「あかつき」は2010年末の周回軌道投入に失敗してしまったのですが、その科学目的と「あかつき」のこれからを話します。

 望遠鏡で眺めてもノッペリした雲に覆われて何もみえない金星は1960年ころまでどっち向きに自転しているかも判らず、雲の下には太古の地球のような世界がある・・・という噂もあった謎の惑星でした。その後の観測により、地表では二酸化炭素ばかり90気圧・470℃のとんでも温室効果の惑星であることが解ってきました。しかし、謎はますます深まるばかり・・・

 特にふしぎなのは金星本体が1.6m毎秒という低速で西向きに(地球は500m毎秒で東向きに)自転しているのに、雲上高度70kmの大気が100m毎秒という高速で西向きに回っていることで、「大気超回転」と呼ばれています。この低速西向き自転だけでも太陽系7不思議当確ですが(太陽系の中は東向きばかり)、この超回転はさらに難問です。地球にもジェット気流(速い時には100m毎秒近い)があるじゃないか・・・と思われるかもしれませんが、500m毎秒で自転する惑星に100m毎秒の風を吹かすのは気象力学的には簡単なことです。つまり、自転のおこぼれを少しもらえば可能です。しかし、自転の60倍も速い風を吹かすことは難しく、長年に亘って気象力学屋を悩ませて(楽しませて)きました。最近、似た現象が土星の衛星タイタンにもみつかり、これが濃い大気を持ちかつ自転の遅い惑星の共通現象である可能性が見えてきました。つまり、ここから「汎惑星大気力学」が作れるかもしれないのです。

 この難問を解決しようと日本で1999年に金星探査計画が立ち上がりました。戦略は「5台のカメラを使い雲を多くの波長で平面的に連続撮影する観測に、電波掩蔽という鉛直方向の情報を得る観測技術を組み合わせ、雲高度域における風速ベクトルなどの気象パラメタを確定し、超回転加速域高度の大気運動構造を知ることにより、超回転が何故発生するのかを解き明かす」です。多波長でみると、多高度の情報が得られるのです。私は1μm赤外カメラの主任研究者として設計・製作・テスト・・・に関わってきました。

 ところが、「あかつき」は2010年末の金星周回軌道投入に失敗してしまい、現在は太陽を周回する軌道上にあって、2015年末ころの再挑戦に備えています。主エンジンは壊れてしまったので、姿勢制御用の小さいエンジン多数で代用する予定です。現在の軌道が金星軌道より小さく、太陽に近いために排熱に苦労していますが、カメラをはじめとする測器はすべて生きています。何とか当初の目的を果たすべく、皆様のご支援をよろしくお願いいたします。
                                              以上
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連絡・お問い合わせは城北会事務局へどうぞ。e-mail:johoku@toyamaob.org