今回は自ら「仏」を名乗る化学の小野寺先生にスポットをあててみました。本校での歴史は今年で五年目と比較的浅いのですが、教師歴は二十五年というベテランです。
先生が化学に興味をお持ちになったのは、高一で生物を勉強していた時だそうです。生物で化学に関連する分野の本を読んでいるうちにおもしろくなってきたのとこと。高校時代の所属クラブは化学部・数学部で、その頃から化学はかなりお好きだったそうです。「今でも実験中にパッと色が変わったりするとおもしろいですね。生徒と同じようなところで喜んでいるんです。授業は楽しまなきゃ損でしょう」。先生の授業を受けている者には納得できる意見です。
難しい、という理由で化学を嫌う人がいますが、どうすれば化学を楽しく勉強できるか伺ってみました。「化学に限らず、『嫌い』だとか『できない』だとか決めつけるのは良くない。まずは積極的に勉強してみることです。理系、文系の選択も同じで、決める前にじっくり勉強してどちらが自分にむいているか見直した方がいいですね」文系の科目は「まるでダメ」だったという先生も、今では『徒然草』や『枕草子』などをゆっくり読んでみたいと思うようになられたということです。
「野球はパ・リーグ」と断言なさる先生は、大のスポーツ好き(ちなみに西武ライオンズの大ファンだそうです)。すもうも好きで「ものいいがつく前に『今の判定はおかしかった』とすぐわかる」と得意そうにおっしゃっていました。最近はスポーツを観戦するだけではあきたらず、ご自分でテニスを始められたとか。(お若いですねえ)
戸山生についてお聞きしてみると「多少期待はずれ」ときびしいお言葉。「来る前には、私語はしないしよく勉強する、と聞いていたんですよ。ところが私語はするし、あまり勉強はしない。いざ、という時の集中力はあるのに、能力を生かしきっていませんね。運動会や戸山祭で見せるエネルギーを勉強にむければ、もっと現役で入れるのに」となかなか痛いところをついておられます。
大学時代の友だちに言われた「お前、性格的にむいているから教師やれ」の一言で決心したという小野寺先生。笑顔を絶やさず、淡々とお話しになる口ぶりが仏の仏たるゆえん、というところでしょうか。
小野寺 正敬 先生 化学 戸山高校在職 1980〜96