先生列伝(103)杉谷先生 戸山高校新聞 第265号 1995年12月4日
 「数学科一の古ダヌキ?」  〜杉谷治行先生の巻〜


1992年卒業アルバム

1993年卒業アルバム

1995年卒業アルバム

 いつも穏やかに笑いながら授業をなさる杉谷先生。当部の取材の申し込みを最初は拒否なさったが、最後には応じてくださった。
 先生は京都生れの島根育ち。高校は共学校に進学された。当時の高校は女子がさぞかし少なかっただろうと思い、尋ねたところ、「僕の学校は女子校と合併したから」ということで、男女比は一対一ぐらいだったという。高校時代から数学は得意で、上京して大学は数学科に入学した。大学を卒業したのは昭和三十三年で、高度経済成長前の不景気のため就職口が少なかったそうだ。そのような中で先生は職を転々としていた。一時期、電力会社で中卒の社員を対象に講師として数学を教えていたこともある。都立高校教諭になったのは三十四歳のときで、その理由は一番安定していたからだとか。
 杉谷先生はスポーツの達人と耳にしたのでそのこともうかがった。返事は「何でもかんでも手を出しただけ」。ところが先生はインターハイ予選で円盤投げで三位に入賞したこともあるそうだ。また、バイオリンを中学校の先生から習ったこともあり、当時使っていたバイオリンは今は、管弦楽部の生徒が練習に使用することもあるという。
 先生の現在の趣味は、庭仕事と読書。庭では野菜を育てており、時折タヌキが出没して先生の家族がエサを与えている。毎年子供を連れてきてかわいいが、エサを与えないとタヌキはサンダルを持っていってしまう。読書の方は歴史書がお好きで、歴史は人の生き方が変化していくところがおもしろいのだという。
 現在の生徒会活動についても意見をうかがった。生徒の関心が薄く、最低限の協力をしていこうという意識もないところに問題があると指摘された。
 先生が戸山に来られて十五年が過ぎた。戸山で一番驚いたことは態度が大きい生徒が多いことだそうで、今でも戸山生の反撃を恐れているという。そして先生は、ゴキブリを叩いたとも言われている竹刀を再利用した棒を用いて今日もイキイキと授業をなさっている。        (日本海のハタハタ)

杉谷治行先生 数学 戸山高校在職 1981〜96



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